甲府盆地北部 白砂山、弥三郎岳、羅漢寺山 2010年1月24日
所要時間 6:56 林道入口−−7:06 畑−−7:23 登山道−−7:42 白砂山−−8:08 ロープウェイ駅−−8:13 弥三郎岳−−8:23 羅漢寺山−−8:34 ロープウェイ駅−−9:04 白砂山−−9:17 登山道を離れる−−9:31 林道入口
登山ルートであるが、観光地である御岳昇仙峡は駐車場の関係もあって避けたほうがいいだろうから最初から度外視。他にいくつか地形図に破線があるが、どれが生きているのか不明なので車道で一番標高が上げられ、しかも無駄が少ないところから登ろうと考えた。稜線南側は概ね露岩帯でガレマークだらけで尾根上でも破線以外は歩けそうにないが、北斜面は全般に緩やかでどこでも歩けそうだ。白砂山を考えると橋を渡って左岸側に道路が来ている前屋集落付近から尾根を登るのがよさそうだ。たぶん藪はほとんど無いだろう。
廃屋前に車を置く | この林道を登った |
昇仙峡に行く県道より一つ西側の県道を北上、地形図で位置を確認しながら進み前屋集落に到着、これより少し手前から尾根に取り付きたいが法面が続き、やや戻って携帯電話基地局がある付近から尾根に向かって林道が上がっていたのでこれを利用することにする。ちょうど林道入口の反対側に廃屋があって駐車スペースもあった。さて、この林道は地形図に記載されていないがどこまで続いているのだろうか。
畑が登場 | 畑横をまだ林道が伸びる |
やがて林道は草ぼうぼう状態に | もっと進むと歩きやすくなる |
林道入口は施錠された鎖がかかっており一般車は入れないが歩く分には問題ない。小尾根にぶつかるとヘアピンカーブで再び高度を上げ、もう一度ヘアピンカーブを過ぎると農地が現れた。この道はここまで上がるための道だったようだ。畑で道が消えるかと思ったが、大きく右カーブして谷間に広がった平地に沿って登っているのでそれを辿るとやがて道全体が草に覆われるようになった。それでもまだ道形は残っており、植林帯に入ると雑草が消えて歩きやすくなった。もう廃道らしいがさほど荒れていなくて問題なく歩けたし、目印の必要もないので手間がかからない。
林道から山道に変わる | 登山道に出た。歩いてきた山道を見ている |
最後はやや道形が不明瞭になったが、右に曲がって道幅が狭まり踏跡に変わってからはかえってはっきりとなった。そのまま進むと小尾根を越えてなだらかな場所に到着、そこにはそこそこ明瞭な登山道があった。私が歩いてきた方向には木でばってん印されており、案内標識は左に曲がるようルートを示していた。帰りはここを直進すればいいわけだな。分かりやすい場所なので忘れることはなかろう。
稜線に出た。標識が賑やか | 峠から先で道が一段と濃くなる |
まだ尾根直上ではなく、緩やかに右カーブして登ったところで主稜線に出た。稜線を越えて向こう側に下るルートは「天神森長潭橋方面」と書かれていた。どうやらここは839m峰東側鞍部らしい。このまま東に登って最初のピークが白砂山のはずだ。地形図の破線は稜線上を通っているが、実際は白砂山が近づくと登山道は北側を巻いてしまうので、そこで道と分かれて稜線上を行く。ここは落葉広葉樹林で藪は皆無、薄い踏跡があるので歩く人が他にもいるようだ。
白砂山直下で登山道を離れ尾根を登る | 山名事典の白砂山山頂 |
登山道に下る | 「白砂山方面」の標識 |
尾根をまっすぐ上がっていき、傾斜が緩んで最高点に到着。山頂標識は無く赤い境界標識だけがあった。GPSでもここが白砂山とのお告げだが、なんともそっけないピークだった。僅かに下ると東側鞍部で、ここから北側に下って登山道に出て、次の986m峰は北側から巻いてしまう。ところが巻き終わって930m地点に出ると稜線方向に道があり「白砂山方面」とあるではないか。「白砂山」ではなく「白砂山方面」という表現が気にはなるが、こんな標識があるからには白砂山までこの道が続いていると解釈するのは普通だろう。しかし私が登った白砂山には全く道が無く、ここで言う白砂山は山名事典とは別のピークを指しているようだった。私の基準はあくまで山名事典なので地元標識は気にせずともいいのだが、せっかくだから足を延ばして位置を確認したくなった。それは帰りにするとしてまずは目的地を片付けよう。
ロープウェイ駅から獅子平方面への入口。案内なし | ロープウェイ駅付近から見た富士山 |
地形図ではロープウェイ駅直下の登りはガレマークを登るようになっているが、実際には特に崖のような場所はなく淡々と高度を上げていくだけだった。最後にロープウェイ駅の一角に飛び出したが、今来た方向には案内標識がなく、地図を持っていないとどこに行く道なのか分からないようになっていた。これは観光客対策か?
立派な神社 | ロープウェイ駅 |
稜線上は花崗岩の巨岩帯 | 弥三郎岳山頂 |
弥三郎岳から見た南アルプス(クリックで拡大) |
まだロープウェイ営業開始前なので無人で静かな稜線だ。立派な神社を通過してロープウェイ駅前を通過、尾根上は巨大花崗岩の露岩帯に変貌し、岩に掘られた階段を上がっていく。そして最初のなだらかな場所でGPSは弥三郎岳到着を告げた。顕著なピークではないが露岩の上で南から西は切れ落ち、南アが一望できた。ロープウェイで簡単に登れてこの展望が拝めるのだから、なかなかいい場所といえよう。
羅漢寺山も巨岩を登る | 尾根上に松と祠と巨岩 |
この松の先が羅漢寺山山頂 | 羅漢寺山山頂。花崗岩に三角点が設置 |
羅漢寺山から見た弥三郎岳 | 羅漢寺山から見た白砂山 |
一般観光客はここまでらしく、注意喚起の看板があったが無視して東に進む。まだまだ道はいいが今までが観光遊歩道だったので多少グレードが落ちて登山道っぽくなったが、踏跡レベルではなく間違いなく登山道だ。鞍部からは稜線南側は花崗岩の切り立った絶壁となり、登山道は北斜面を巻くように登りはじめる。そして北側から梯子を交えた登りで稜線上の巨岩に達すると松の木と祠が現れ、その横に掘られた階段で巨岩の上を上っていく。この岩の上の展望も素晴らしい。最高点はその先で、これまた花崗岩の上であるが三角点が設置されていた。岩をくりぬいて埋設したのだろうがご苦労様。岩の上の三角点はそう多くはない。
「白砂山方面」の道。明瞭 | たぶんここが白砂山山頂 |
これで本ルート上の3山は無事完了。帰りがけに気になる白砂山方面の標識に入ってみた。まともな道が続き、980m峰の先で樹林帯から花崗岩の露岩帯に変貌、風化した白砂が広がり「白砂山」の名前がぴったりな場所だった。たぶん地元ではここが白砂山なのだろう。ここから見る羅漢寺山の絶壁はなかなかの迫力だった。
帰りも同じルートで下ったが、839m峰北側で本日初めてのパーティーとすれ違った。
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